三代続く能代の味
能代を思い出す香ばしい焼きおにぎりの香り。「とどう商店」と聞けば、ふるさとの味を思い出す人も多いはず。

戦後から続く三代の歩み
戦後、初代が野菜をリヤカーで売り歩いたことから始まったとどう商店。昭和25年に店を構え、現在は三代目・登藤暁洋さんがその暖かな味を受け継ぐ。
食品販売からスタートし、時代とともに惣菜が主役に。旬の食材や地元の野菜をふんだんに使った手作りのお惣菜が、毎日ずらりと並ぶ。その味は、食卓を支えながら、地域の人々に長く愛されてきた。



涼を感じる一品と日替わり惣菜
口コミで紹介された冷やし中華。さっぱりとしたタレ、もちもちの麺、彩り豊かな具材。暑い季節にぴったりの爽やかな味わいだ。季節によって、その時期に合わせた惣菜を作る。常連さんや、パートスタッフの地元のお母さんたちが教えてくれるレシピから生まれる新しい一品も多い。数十種類の惣菜の中で、登藤さんのお気に入りは「とりもも肉の煮物」。タレを継ぎ足しながら受け継がれる昔ながらの味で、「このタレをご飯にかけるとうまいんだよ」と笑顔で話す。店主の登藤さん本人も、この味で育ってきた一人だ。定番の唐揚げやグラタンも人気。味の幅は広がり続けている。


“能代の味”として愛されるおにぎり
年中人気なのは、唐揚げの焼きおにぎり。帰省した人が「能代に戻ったら食べたい味」として真っ先に思い出す味だ。部活やスポ少の大会時にはたくさんの注文が入るのだそう。おにぎりは毎日200〜500個が売れる看板商品で、過去には一日で2000個を作ったことも。「ほぼ徹夜でしたよ」と語る登藤さんの笑顔に、地域とともに歩んできた日々がにじむ。スーパーにはない“とどう商店らしい味”を大切にしている。盆や正月、祭りの時期に食べるカスベ(干しタラ)も、とどう商店では常時販売。昔ながらの能代の味を、これからも届け続けていく。

