体に優しく、心満たされる食の時間
体喜ぶ、気持ちはなやぐ。地元食材をふんだんに使った安心の食事を。

食の安心と温もりを届ける場所
能代市に佇む旬彩創房 花くら。店主の南部恵美子さんが手がける、体に優しい創作料理のお店。名前の「花」は華やぎ、「くら」は店の横にある蔵から取られた。店内にはたくさんの花が飾られ、地元アーティストによるアートが温かみを添える。


「子どもが小さい頃、アレルギーや喘息があって、外食を楽しませてあげられなかったんです」。南部さんはそう振り返る。口にできる食材が限られ、食事の選択肢が少なかった。そんな経験が、店を開く大きなきっかけとなった。「体に優しく、それでいて心から食事を楽しめる場所を作りたい」。食育オーガニックの資格を生かし、安心できる食の場を提供することを決めた。

料理教室を開いていた経験もあり、ただ食を提供するだけでなく、「何をどう食べるか」のアドバイスもできるのが南部さんの強み。「食べるものを選ぶことは大切ですが、神経質になりすぎなくても大丈夫ですよ」。そう優しく語りながら、地産地消の「身土不二」の考え方や、デトックスに役立つ食べ方を伝えてくれる。

心も体も満たされる一膳
花くらの料理は、安全で美味しいだけでなく、食材の力を引き出す味付けが特徴。例えば、男鹿のミネラル豊富な天然塩。塩一つでも、素材との相性を考え、食材本来の旨みを引き出す。能代の檜山納豆、三種町の米、八峰町の輝サーモン……地元の恵みをふんだんに取り入れ、一膳で地域の美味しさを堪能できる。
「優しい味付けなのに物足りなさがない」訪れたお客さんから、そんな声がよく聞かれるほど。しっかりとした満足感がある。食材の歯ごたえ、喉越し、温度のバランスを大切にし、一口ごとに心地よい食のリズムが生まれる。

季節ごとにメニューも変わる。その時々の旬を取り入れ、食事を通して四季を感じることができる。ゆったりと流れる時間の中で、地元の食材と向き合いながら、穏やかなひとときを過ごせる場所。それが花くらの魅力だ。

食を通じて広がる温かなつながり
花くらに訪れるお客さんは、オーガニック志向の人ばかりではない。「居心地の良い個室があったから」「ゆっくり食事をしたかったから」と、気軽に足を運ぶ人も多い。そんなお客さんが食事を終えた後、「これ、オーガニックだったの?美味しかった!」と驚くことも少なくない。
高校生もオーガニックに興味を持ち、食べに来ることが増えてきた。食への関心が少しずつ広がっていることが、南部さんの喜びにつながる。「食べたものが、その人を作る。考え方や生き方にも影響することもあるんですよ」と話す南部さんの言葉には、食への深い想いが込められている。

アレルギーのあるお子さんを連れたお客様から、「安心して食べられた」と感謝の声が届くこともある。食べ終わった後、わざわざお礼のメッセージを送ってくれる人も。「目の前の料理全てを、安心して楽しめる」。それが、南部さんの料理が持つ大きな魅力。

食後には、二ツ井の「わんど」が花くらのために特別にブレンドしたコーヒーも楽しめる。地元のお酒も用意されており、ゆっくりと語らう時間にもぴったり。コーヒーを飲むために寄っても大丈夫。心と体を整え、人生を豊かにする食の時間を、花くらで味わってみてはいかが?

